耳がかゆい

姉の誕生日で、実家に帰っていた。姉の誕生日は先代の猫の命日でもある。7年前、硬くなってしまった猫の遺体のとなりで、泣きながらケーキを食べた覚えがある。姉には少し気の毒な話だった。 前の猫は3年くらい家にいた。とても警戒心の強い子で、私以外の家…

うーん

言葉が出ない。どうしていいかわからないから。つらいことがあるとき、楽しいことをする権利はないだろうか。病気の家族がいたら、遊びに行ってはいけないだろうか。喪に服すという習慣はすごく理に適っていると思うが、完全な絶望も完全な幸福もまだないと…

2023/05/10

大学院生というものになって早1カ月が経つという事実をいまだに呑み込めないでいるのは、自分の研究というものがちっとも進んでいないからだ。講義やゼミに出るのは楽しいし、先生に読めと言われたものは喜んで読むけれど、こと自分の研究となると不安で仕方…

2023年2月3日

非常に寒い。今日は節分で、卒業論文のシモンというやつがあった。シモンというのは、自分の持ってきた腐りかけの魚が白木のまな板の上に載せられて、鼻をつままれながら検分されるような、そんな感じの体験。やったことのない人は、一度やってみるといい。…

断片(2023年2月2日)

今日は学部生活最後のテストがあった。その授業は先生が出席をとらないので2回か3回しか出ていなくて、この授業の単位を取れないと卒業できませんから気をつけて取ってくださいね、と教務の人に釘を刺されていた授業だったので1週間くらい前からにわかに不安…

絵本『はじめてのうんてん』

さく・え はなみ ある あきのひ。 わかばちゃんのおうちの ゆうびんうけに、 こんなちらしがはいっていました。 「たまご ひゃくえん。 とりももにく ひゃくグラム はちじゅうはちえん。」 「おかあさん、これみて。 きょうは、まんだいの やすうりのひだよ…